ads.txt を設定する

Google Adsense の審査が通って、いざ広告を出そうとしたら、ads.txt を設定するよう促されました。ads.txt = アズテキスト というようです。広告詐欺を減らすための仕組みらしいのですが、よくわからないので備忘兼ねて調べました。

 

ネット広告詐欺の仕組み

ネット広告は、ブログなどの広告枠を広告主が買って広告を表示するものです。そこらへんは新聞や雑誌の広告と同じですが、最近はサイトの色んな場所に広告が載るし、内容もユーザーの嗜好に合わせてリアルタイムで変化していくのでより複雑です。

 

こうした複雑な仕組みは、広告主とメディアの間をいくつかの業者が仲介して成り立っています。メディア側の広告枠を管理したり、ユーザーの嗜好に合わせた広告を掲載したり。これらの業者が瞬時に取引し、広告が表示されるのです。

 

ですが、見る人によってリアルタイムに変わるので、契約通りに広告されるか、広告主にもメディア側にも分かりづらく、その穴を巧みについた詐欺が横行しました。

 

詐欺業者は、広告枠をサイトになりすまして「自分がこのサイトのID××です」と偽り、広告をリクエストします。広告が掲載されるとその広告をクリックしたり動画を再生したりして、成果に応じた広告費を受け取るのです。

 

過去にはメスボットと呼ばれる広告詐欺(アドフラウド)手法で、1日に300~500万ドルの詐欺被害があったという調査報告があります。

 

ads.txt がアドフラウドを防ぐ仕組み

広告収入は仲介業者が管理するアカウントIDに対して分配されます。アカウントIDが適切であれば不正を防げるという考え方に基づき、アカウントIDの適正を確認する仕組みがads.txtです。

 

サイトAの所有者は予め、自分のサイトにads.txtを設置し、そこに自分のアカウントID(ここではaaaaaとします)を書いておきます。

 

もし悪意の第三者が「自分はサイトAの所有者、アカウントIDはbbbbbだ」と偽っても、仲介業者がads.txtを確認し、アカウントIDが一致しないことがわかります。

 

もし悪意の第三者が、アカウントIDをads.txtと同一にして広告をリクエストしても、その収益は本来のサイト所有者に入るので、お金を懐に入れることはできません。

簡単にはこんな仕組みと理解しました。

 

ads.txt の設置方法

ads.txt は設置方法や内容が誤っていると、広告が出なくて収入を得られなくなるかもしれないので、注意してやる必要があります。

 

① ads.txt はルートドメインに設置すること

サブドメインでサイトを運営していたとしても、設置場所はルートドメインでなければいけません。

○ https://example.com/ads.txt

× https://www.example.com/ads.txt

× https://abc.example.com/ads.txt

 

② ads.txt のファイル名は必ず小文字

〇 ads.txt

× Ads.txt

 

ads.txt の記述方法

ads.txt には3つの情報を記述できます。

※ #に続く文字列はコメント、半角スペースやタブは無視されます。

 

①SSP/Ad Exchange(必須)

どのSSP/Exchangeに許可するかを指定します。1行に最大4つの情報を記載でき、3つは必須、4つ目は任意です。それぞれを「,」で区切ります。

 

例)Google Adsense の場合

f:id:naru443:20210222013554p:plain

 

②問い合わせ窓口(任意)

任意ですが、ads.txtに関する問い合わせ窓口の情報を記入できます。

f:id:naru443:20210222014055p:plain

メールアドレス、電話番号、ウェブ問い合わせフォームのURLなどを記載します。

※ URLに半角スペースが入る場合は「%20」などURLエンコード値を記入します

※ メールアドレスの例)contact=contact@example.com

 

③サブドメイン(任意)

サブドメインで別サイトを運営していて、それぞれでads.txtの内容を変えたい場合に必要になります。

 

例えば、フォーラムサイトとショップサイトを運営している場合、

subdomain=forum.example.com

subdomain=webshop.example.com

それぞれのサイトのサブドメインのルートにads.txtを設置します。

 

ルートドメインである「https://exsample.com/ads.txt」にはサブドメイン情報のみを記述し、各サブドメインのads.txtにはそれぞれのSSP情報を記述します。

 

もし、ルートドメインのサイトも運用しているなら、「https://exsample.com/ads.txt」にもSSP情報を記入し、サブドメイン情報も記入します。

 

つまり、サブドメインで分かれている場合は、「サブドメイン毎にSSPのアカウントが違うので、ちゃんとサブドメインのads.txtも見てくださいね」と、ルートドメインのads.txtに「subdomain=」を書いてあげましょう。 

 

ads.txt の確認方法

ここまで解説した記載をすべて手作業でチェックするのは手間がかかります。それにはads.txtチェッカーを使う方法があります。

 

Ads.txt Checker | webtru

ads.txtのURLを入れると、設置場所、文字コード、構文チェックをしてくれます。